地震や台風などの災害で電気やガスが止まると、普段使っているコンロや電子レンジで調理できなくなることがあります。
そんなときに役立つのが、カセットコンロとカセットボンベです。お湯を沸かしたり、レトルト食品を温めたりできるため、停電やガスの供給停止に備えて用意しておくと安心です。
防災用のカセットボンベは、1人当たり1週間で約6本が一つの目安です。4人家族なら、単純計算で1週間に約24本となります。
ただし、実際に必要な本数は、調理する回数や使用時間、気温などによって変わります。また、カセットボンベは長期間保管できるものの、いつまでも使えるわけではありません。
この記事では、防災用のカセットボンベを何本備蓄すればよいのか、使用期限や保管方法、災害時に安全に使うための注意点まで解説します。
防災用のカセットボンベは何本必要?
政府広報では、災害への備えとして、カセットボンベを1人当たり1週間で約6本用意することが紹介されています。
参照:何をどれだけ? 食べながら備える食品の家庭備蓄 | 政府広報オンライン
人数別にすると、1週間分の目安は次のとおりです。
| 家族の人数 | 1週間分の目安 |
|---|---|
| 1人 | 約6本 |
| 2人 | 約12本 |
| 3人 | 約18本 |
| 4人 | 約24本 |
| 5人 | 約30本 |
例えば、4人家族の場合は1週間で約24本が目安です。
ただし、この本数はあくまで一つの目安です。毎食カセットコンロで調理する場合と、湯を沸かす程度に使う場合では、消費量は大きく異なります。
必要な本数をより正確に把握したい場合は、普段使っているカセットコンロで実際に湯を沸かしたり、料理をしたりして、1本でどの程度使えるか確認しておくとよいでしょう。
3日分だけ備える場合は何本必要?
1週間で1人約6本を一つの目安とすると、3日分は1人当たり約2~3本程度が目安になります。
人数別では、次のように考えられます。
| 家族の人数 | 3日分の目安 |
|---|---|
| 1人 | 約2~3本 |
| 2人 | 約4~6本 |
| 3人 | 約6~9本 |
| 4人 | 約8~12本 |
ただし、3日分の本数は、1週間6本という目安から換算した概算です。
災害の規模によっては、電気やガスの復旧に時間がかかることがあります。まず3日分を確保し、可能であれば1週間分まで備蓄を増やしておくと安心です。
また、カセットボンベだけでなく、使用するカセットコンロ本体が正常に使えるかも確認しておきましょう。
カセットボンベを備蓄しておくメリット
災害時には、電気や都市ガス、LPガスなどのライフラインが停止する可能性があります。
カセットコンロとカセットボンベを備えておけば、電気やガスの供給が止まっていても、次のような用途に使えます。
- 水を沸かす
- レトルト食品を温める
- インスタント食品を調理する
- 鍋やフライパンで簡単な料理を作る
- 温かい飲み物を作る
災害時には、アルファ米やフリーズドライ食品など、水やお湯を使って食べる備蓄食品もあります。
水と食料だけでなく、加熱するための熱源も一緒に用意しておくことで、食べられるものの選択肢が広がります。
特に冬場は、温かい食事や飲み物を用意できることが、寒さ対策の一つにもなります。
カセットボンベの使用期限は製造後約7年が目安
カセットボンベは、未使用であっても永久に保管できるわけではありません。
日本ガス石油機器工業会では、製造後約7年以内を目安に使い切るよう案内しています。
長期間保管すると、内部に使われているゴム部品などが劣化する可能性があるためです。
製造年月日は缶の底で確認できる
多くのカセットボンベでは、缶の底面に製造年月日が数字で表示されています。
例えば、
20260401
と記載されていれば、2026年4月1日に製造された製品という意味です。
防災用品として長期間保管していると、いつ購入したものか分からなくなることがあります。半年から1年に1回程度は缶底を確認し、古いものから使用しましょう。
7年以内でも異常があれば使わない
製造から7年未満であっても、次のような異常がある場合は使用を避けましょう。
- 缶に大きなさびがある
- へこみや変形がある
- ガス臭がする
- 接続部分に異常がある
- 長期間、高温多湿な場所に保管していた
製造年月日だけでなく、缶の状態も確認することが大切です。
カセットコンロ本体にも寿命の目安がある
カセットボンベだけでなく、カセットコンロ本体も経年劣化します。
日本ガス石油機器工業会では、カセットコンロについて製造後約10年を目安に買い替えを検討するよう案内しています。
長く使用していないコンロを防災用品として保管している場合は、災害時に初めて使うのではなく、平常時に動作を確認しておきましょう。
確認したいポイントは次のとおりです。
- 点火できるか
- 炎が安定しているか
- ボンベを正しく装着できるか
- ガス漏れがないか
- 本体にさびや変形がないか
取扱説明書も保管しておくと、久しぶりに使用する場合でも確認しやすくなります。
カセットボンベを保管するときの注意点
防災用として複数本のカセットボンベを保管する場合は、保管場所にも注意が必要です。
直射日光を避ける
カセットボンベは、高温になると内部の圧力が上昇します。
直射日光が当たる窓際やベランダなど、温度が上がりやすい場所への保管は避けましょう。
製品に記載された保管方法を確認し、涼しく風通しのよい場所に置くことが大切です。
高温になる車内に放置しない
夏場の車内は非常に高温になることがあります。
防災用品を車に備えている場合でも、カセットボンベを高温になる車内へ長期間置くのは避けた方が安全です。
車載用の防災用品と、自宅で保管するカセットボンベは分けて考えましょう。
火気や暖房器具から離す
カセットボンベは、ストーブ、ヒーター、コンロなどの熱源から離して保管してください。
調理中のカセットコンロの近くに予備のボンベを置いたままにするのも避けましょう。
湿気が多い場所を避ける
湿気の多い場所では、缶がさびる可能性があります。
床下収納や屋外物置などで保管する場合は、湿気や温度が適切か確認してください。
また、定期的に缶を取り出し、さびや変形がないか点検しましょう。
災害時にカセットコンロを使うときの注意点
カセットコンロは便利な一方、誤った方法で使用すると、カセットボンベが過熱して破裂したり、一酸化炭素中毒につながったりする危険があります。
災害時でも通常時と同じ安全ルールを守って使用してください。
カセットコンロを2台並べて使わない
カセットコンロを2台以上並べ、その上に大きな鉄板や鍋を置くと、熱がカセットボンベ部分へ伝わりやすくなります。
NITEは、放射熱によってカセットボンベが過熱し、破裂する危険があるとして注意を呼びかけています。
複数人分を一度に調理したい場合でも、カセットコンロを並べて使用するのは避けましょう。
コンロを覆うほど大きな鍋や鉄板を使わない
鍋や鉄板がカセットボンベ部分まで覆ってしまうと、熱が逃げにくくなり、ボンベが過熱する可能性があります。
カセットコンロ本体や取扱説明書に記載されたサイズの調理器具を使用してください。
災害時に使用する鍋も、事前にカセットコンロへ載せてサイズを確認しておくと安心です。
IH調理器の上に置かない
カセットコンロをIH調理器の上に置いて使用・保管すると、誤ってIHのスイッチを入れた場合にボンベが加熱される危険があります。
IH調理器や電気コンロの上は避け、安定した平らな場所で使用しましょう。
十分に換気する
カセットコンロは、燃焼すると室内の酸素を消費します。
閉め切った室内で長時間使用すると、酸素不足による不完全燃焼が起こり、一酸化炭素中毒につながる可能性があります。
NITEも、カセットコンロを使用するときは定期的に換気するよう注意喚起しています。
避難生活で寒い場合でも、完全に締め切った空間で長時間使用しないようにしてください。
テントや車内で安易に使用しない
テントや車内などの狭く密閉されやすい場所では、一酸化炭素がたまりやすくなります。
製品の取扱説明書で屋内やテント内での使用が禁止されている場合は、必ず指示に従ってください。
災害時であっても、安全のために使用場所を確認することが重要です。
カセットボンベは指定された製品を使用する
カセットコンロには、メーカーが指定するカセットボンベがあります。
サイズが合うように見えても、メーカーが指定していないボンベを使うと、正常に装着できなかったり、ガス漏れなどの原因になったりする可能性があります。
防災用としてボンベを購入するときは、保管しているカセットコンロのメーカーと型番を確認し、取扱説明書に従って選びましょう。
カセットコンロとボンベを別々の場所へ保管すると、災害時に組み合わせを確認しにくくなります。
すぐ取り出せるよう、同じ収納場所や近い場所にまとめておくと便利です。
カセットボンベはローリングストックで管理する
防災用のカセットボンベは、長期間しまい込むのではなく、ローリングストックで管理する方法がおすすめです。
ローリングストックとは、普段から使うものを少し多めに備え、古いものから使って、使った分を新しく買い足す方法です。
カセットボンベの場合は、次のように管理できます。
- 防災用として一定数を保管する
- 製造年月日が古いものから鍋料理などで使用する
- 使用した本数と同じだけ新しいボンベを購入する
- 新しいものを備蓄の奥へ入れる
この方法なら、気付かないうちに製造後7年を超えるリスクを抑えられます。
購入した箱のまま保管する場合でも、箱へ購入日を書いておくと管理しやすくなります。
ただし、確認すべきなのは購入日ではなく製造年月日です。購入時点ですでに製造から一定期間経過している場合もあるため、缶底も確認してください。
古いカセットボンベはどう処分する?
使用期限の目安を超えたカセットボンベや、不要になったボンベは、自治体のルールに従って処分します。
処分方法は自治体によって異なります。
- 中身を使い切ってから出す
- 「危険物」「有害ごみ」などの区分で出す
- 穴を開けずに出す
- 指定された日に出す
など、地域によってルールが異なるため、必ず住んでいる自治体の案内を確認してください。
以前は「穴を開けてから捨てる」とされていた地域でも、事故防止のため穴を開けない方法へ変更されている場合があります。
自己判断で穴を開けたり、ガスが残ったまま通常のごみとして出したりしないようにしましょう。
中身が残っていて、自分で安全に使い切れない場合も、自治体やメーカーへ相談してください。
防災用のカセットボンベを点検するチェックリスト
カセットボンベは、半年から1年に1回程度を目安に点検すると管理しやすくなります。
次の項目を確認しましょう。
- 家族の人数に合った本数がある
- 最低3日分を確保している
- 可能であれば1週間分を確保している
- 製造年月日を確認した
- 製造後約7年を超えていない
- 缶にさびや変形がない
- 高温になる場所に保管していない
- カセットコンロ本体に異常がない
- コンロの製造年も確認した
- 指定されたボンベを備えている
- 災害時に使う鍋のサイズが適切
- 保管場所を家族が把握している
防災用品の点検日を決め、飲料水や非常食、携帯トイレなどと一緒に確認すると忘れにくくなります。
まとめ
防災用のカセットボンベは、1人当たり1週間で約6本が一つの目安です。
4人家族なら約24本となりますが、実際に必要な本数は、調理回数や使用時間、気温などによって変わります。普段からカセットコンロを使用し、1本でどのくらい調理できるか確認しておくと、自宅に必要な量を判断しやすくなります。
また、カセットボンベは長期保存できるものの、製造後約7年以内を目安に使い切ることが推奨されています。製造年月日を確認し、古いものから日常生活で使用するローリングストックを取り入れましょう。
使用するときは、カセットコンロを2台並べたり、大きな鍋でボンベ部分を覆ったりしないことも重要です。室内では換気を行い、カセットコンロに指定されたボンベを使用してください。
災害が起きてから初めて使うのではなく、平常時に本体の動作や使い方を確認しておくことで、停電やガスの供給停止にも備えやすくなります。
